[Eng Sub] 口切の茶事〜霜月|日本茶道|Japanese Tea Ceremony

アンの茶道生活
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茶人の正月がやってきました。
この時期、春に詰めた新茶の茶壺の封を切り、炉(畳の下に備え付けられた小さな囲炉裏)を開き、気持ちを新たにして、一服のお茶を味わいます。
その様子をこの動画を通して、お伝えできれば嬉しいです。
また、動画の中でご紹介した「御茶壺之巻」の蒔絵は、国立国会図書館デジタルコレクションから見ることができます。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2540806
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皆さん、こんにちは
「アンの茶道生活」 へようこそ
空気がぐっと冷たくなり、冬の気配を感じ始める「立冬」の時期に
茶の湯の世界では、お正月を迎えます
そうなんです!
実はお茶の世界では、一年に二回正月を迎えます
一月に迎える「新年の正月」
そして、十一月初旬に「お茶の正月」を迎えます
「茶の正月」では、春に摘み取ったお茶の新芽が入った茶壺の封を切り
新茶を使い始めます
そして、「炉開き」と言い、畳に切った炉を使い始めます
この2つが合わさって行われるのが、「口切りの茶事」です
今回は、その「口切りの茶事」をご紹介いたします
それでは、一緒に見て参りましょう!
お客様が揃った頃合いに白湯をお出しします
遠方から見えた方には、この一杯の白湯が息を付くのにちょうど良いのです
一息ついたお客様は、外腰掛けへ
亭主のお迎えを受け、席入りを致します
正客から順に床の間を拝見し
点前畳に進み、炉や釜、また棚の飾りを拝見します
床の間には、軸がかけられ、茶壺が飾られています
網のかけていない壺を飾るのは、拝見しても良いという意味になります
全員が座に定まった気配を感じ
亭主は茶室に入り、一人一人と挨拶が交わします
挨拶が一巡すると、正客から床の間の飾り物を訪ね
茶壺の拝見が所望されました
「口切り」は茶壺の封を切り
壺の中から新茶と御茶入日記をお客様に呈し
そして所望されたお茶を石臼で挽いておもてなしをします
今回その部分はお茶屋さんに頼ることにし、「壺飾り」の趣向で茶事を進めます
「茶壺道中」の話に少し触れましょう
江戸時代(寛永9年 1632年)、「茶壺道中」なるものが制度化されていました
毎年新茶の季節になると、京都から宇治茶を茶壺に入れて、大切に江戸まで運んだのです
茶壺道中は権威が高く、茶壺が通る時には、大名でさえも駕籠(かご)を降りる必要があり
街道沿いの村には掃除が命じられ、田畑の耕作も禁じられていました
こんな歌を聞いたことはありませんか?
「ずいずいずっころばし ごまみそずい
茶壺におわれて どっぴんしゃん
ぬけたら どんどこしょ」
これは、胡麻味噌をすっていると
そこにお茶壺道中が通りかかり、急ぎ家の中に入り
戸をピシャッと閉めてやり過ごした
そんな村人の様子を歌ったと言われています
それほど、茶壺道中の往来は、人々に緊張を強いるものだったようです
末客まで茶壺の拝見をし終えた後、正客と出会いで返します
この「出会いで返す」という行為は、拝見を所望した正客が
粗相がなかったか、もう一度確認をして
責任を持って亭主に返すために行われています
正客が元の出された場所に返却後
亭主は壺の前に座り、正客のお尋ねに答え、水屋に下がります
続けて、亭主は茶室に入り、初炭点前の始まりです
初炭は後ほどいただく濃茶のためのお湯を沸かす準備です
炉の正午の茶事は、炭点前の後に食事をいただきます
食事を終えて主菓子を食べ、その後で濃茶をいただくのです
その濃茶を点てるタイミングにお湯が良い具合に湧いている
茶道では「湯相(ゆあい)を整える」と表現します
そのための炭点前なのです
羽箒で炉を掃くと、お客様は一礼して炉の近くに出ます
炭をつぐ様子も拝見の対象とされているからです
炭をつぎ終えたら、香を炊きます
清らかな香りが茶室を浄化するとともに
香の香りが炭の匂いを和らげる効果もあります
釜を戻したら、羽箒で釜の蓋を掃き、灰器や炭斗を水屋に下げます
正客は拝見に出された香合を取りに出て
席に戻り、一人一人順に香合を拝見します
拝見を終えた頃、亭主は茶器を持って
茶室に入り棚に飾り、釜の蓋を切ります
そして香合正面に座り、正客からのお尋ねに答えます
炭点前の次は、懐石の時間です
一人一人に膳を出します
折敷の上には、飯碗と汁椀、向付の器がのっています
茶事の中でご飯は三度出ます
一度目は、炊き上がったばかりの蒸らす前のご飯を少しだけ
「まず一口だけでも召し上がって下さい」という気持ち表しています
汁は、この時期体が温まる白味噌を使います
盃台と銚子を持って、お酒を勧めます
飲めない方は無理をしないよう、やんわり断りましょう
次は、煮物椀をお出しします
煮物椀は懐石のメインディッシュなので
お茶の正月らしく
海老のしんじょうに松茸と華やかな赤く茹で上がった車海老を添えました
ご飯のお代わりです
今度は程よく蒸らしたご飯をお出しします
同時に、お客様から汁椀を預かり、汁替えをします
次に焼き物をお出しします
今日の焼き物はお魚です
もう一度、しっかり蒸らしたご飯のお代わりを出します
召し上がれる量だけ取り回し、あとは飯器に残しても構いません
途中で様子を見ながら
炊き合わせや強肴をお出しします
そして、小吸物をお出しします
続けて私が八寸と銚子を持って茶室に入ります
実は、本日のお客様、私の友人達です
先まで台所で料理をしていましたが
亭主である先生から
「皆さん、アンさんと話したいでしょうから、行ってきて!」と言われ
バトンタッチをしました
茶事の中で、お客様一人一人と、顔を見ながらゆっくりお話できるのも
この八寸の時間になるかと思います
最後に湯次と香の物を出します
それを使って、お客様は椀の中をゆすぎ
向付の器や盃も懐紙で拭き清めていきます
箸を一斉に膳の中に落としたら、その音を聞いて、膳を下げに入ります
一息ついて、主菓子をお出しします
お客様はお菓子を召し上がった後、一度退席をして、腰掛待合にて小休止です
ここから後座の準備です
床の間の軸を外し、花をかけます
正客のお気遣いで、お鳴物で「準備が整った」ことを知らせます
お客様はもう一度つくばいを使って、席入りをします
さ〜、茶事のメインとなる濃茶の時間がやってきました
この一服のお茶を飲むために、これまでの炭点前や懐石の流れがあるのです
ましてや口切りの茶事ともなれば、今年の新茶を味わえる時間
この研ぎ澄まされた空間のなかで、その一碗のお茶への、期待感が高まっていきます
正客のお茶が出ました
皆が濃茶を飲み終え
この日のために用意したお道具(茶入・茶杓・仕覆)を紹介し
至福な時間は終盤へと向かいます
続けて薄茶をお出しします
お客様にリラックスしていただくために、もう一度座布団をお出しします
煙草盆と干菓子を出して、引き締まった空気が一転して和やかになります
薄茶で使う茶碗には絵柄が入ったり、色彩が入ったりと
濃茶に比べカジュアルな雰囲気を感じ取ることができます
薄茶に使われる抹茶ももちろん新茶です
今日の茶事の名残を楽しむかのように、茶室内は楽しいお喋りが続きます
皆さん、いかがでしたでしょうか?
お茶の世界のお正月を一緒に楽しんでいただけましたか?
茶室にお客様をお招きし、お食事とお茶のフルコースを提供する
「日本流の最高のおもてなし」
それが茶事です
その茶事の中でも茶人にとって招かれれば幸せ至極と言われる「口切りの茶事」
本日は、壺飾りの趣向でさらっと紹介をさせていただきました
日本の美しき文化に触れていただければ嬉しいです
そして、よろしければ
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