■「ここは中国の領土だ」――主権を無視した恐ろしい「越境弾圧」の実態
前回の記事でお伝えした通り、加害者の男は法輪功学習者に対して展示パネルや横断幕を次々と壊しながら、こう叫びました。
「ここは中国の領土だ」
「お前を撃ち殺すぞ。分かってるのか」
この発言こそ、今回の事件が単なる街頭での襲撃事件ではなく、非常に根深い中国共産党政権による「越境弾圧」であることを如実に物語っています。
現場はカナダ・トロントの公道であり、当然カナダの法律と主権が及ぶ場所です。領事館の敷地外であるにもかかわらず、「ここは中国の領土であり、中国共産党に従わない者は銃殺してもいい」と言わんばかりの主張をカナダの地で展開している点は、極めて深刻です。
つまりこの事件は、中国国内で行われている不当な弾圧をそのまま海外にまで持ち込み、恐怖によって他国の市民の口を封じようとする行為は、民主主義社会の根幹を揺るがすものです。――これこそが、近年、中国共産党が世界各地で行っている「越境弾圧」の恐ろしい実態です。
■なぜ暴徒が強気になれるのか? 事件の背景にある「対中接近」
では、なぜカナダ国内でこれほど強気な暴挙がまかり通ってしまうのでしょうか? その背景には、カナダ政府が近年深めてきた「対中政策」の影が指摘されています。
2026年1月、カナダのマーク・カーニー首相が訪中した際、カナダ騎馬警察(RCMP)と中国公安部との間で「法執行協力の強化」を含む複数の協定が締結されました。さらに、今年5月の王毅外相の訪加など、カナダ政府は中共との新たなビジネス協定や経済連携を加速させています。
こうした政府の姿勢に対し、人権活動家で出版者のディーン・バクセンデール(Dean Baxendale)氏は強い懸念を表明しています。

ディーン・バクセンデール(Dean Baxendale)氏
「中国共産党による国境を越えた弾圧は、カナダで毎日行われている。」
「王毅氏らがカナダ政府と固めようとしている新たな経済協定は、法輪功学習者、ウイグル人、チベット人といった迫害されている人々の苦しみの上に成り立っている」
「今こそ、カナダ政府は企業の利益のために個人の自由と尊厳を売り渡すのをやめ、中国人の人権のために真に声を上げるべきだ」
本来、市民や迫害される人々の尊厳を守るべき政府が「経済利益」や「新たな協定」を優先することで、中共側による人権侵害や他国での圧力工作を暗に容認する土壌を生み、結果としてカナダ国内での人権や人道的な懸念が軽視される事態を生み出していると指摘されています。
■動き始めたカナダ社会 地元メディアRebel Newsが首相へ請願書を提出!
こうした異常事態に対し、「これ以上の侵蝕を許してはならない」と、カナダの現地メディアや市民社会が具体的に動き出しています。
現場にスクリーントラックを向かわせたオンラインメディア『Rebel News』は、今回の事件を「孤立した事件ではなく、カナダ国内で行われている組織的な越境弾圧である」と重く受け止め、カーニー首相宛ての大規模な署名活動を開始しました。
請願の中で同メディアは、次のように訴えています。
「カナダ華人もカナダ人だ。ここはカナダであって、北京ではない。」
この短い一文には、加害者が叫んだ「ここは中国の領土だ」という暴言への明確な反論と、国籍やルーツに関わらず、カナダに生きるすべての人の自由と尊厳を守るという強い意志が込められています。請願書では、政府に対して以下の厳正な措置を強く求めています。
- 今回の襲撃犯の厳格な特定、訴追、および国外追放
- 威嚇に関与した中共外交官の追放
- トロント、バンクーバー、モントリオール等に存在する中共の「非公式警察署」の永久閉鎖
法輪功学習者たちによると、領事館前での嫌がらせ自体はこれまでもありましたが、今回は鮮明な映像が拡散されたこと、そして現地メディアが本格的な署名活動に乗り出したことで、カナダの政界や市民社会を動かす大きな波へと拡大しています。
■日本にとっても「対岸の火事」ではない
「他国の領事館前で起きたニュース」として済ませることはできません。
日本国内においても他人事ではありません。中共の「非公式な海外警察署」の存在が指摘されているほか、在日中国人や人権活動家、さらには法輪功学習者や中国に住むその家族に対しても、直接的な妨害や監視、脅迫の手が及んでいる実態が報告されています。
もし民主主義国が「経済関係」を優先して自国内での主権侵害や不当な工作に目をつぶってしまえば、今回カナダで起きた「ここは中国の領土だ」「撃ち殺す」という暴論と圧力が、いつ日本の街頭で繰り返されても不思議ではありません。
おわりに
現在、トロント警察による人物特定と捜査が進められているとされる一方で、カナダ政府に対して「主権と自由を守れ」と求める声は強まっています。
前回の記事の問いかけから見えてきたのは、「目先の経済利益のために人権や主権を軽視すれば、自国の治安と自由そのものが脅かされる」という、極めて深刻な越境弾圧の構図です。
この事件の捜査がどこまで進むのか。
そしてカナダ政府が、越境弾圧に対してどこまで明確な姿勢を示すのか。
今後の対応を引き続き注視する必要があります。

【引用記事】「ここは中国の領土だ」――トロント中国総領事館前で法輪功学習者が襲撃される
【引用記事】大紀元(2026年5月31日)
【引用記事】新唐人(2026年10月2日)



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