麻酔なしで切り開かれた体――放置された『遺体』が動いた瞬間

2019年4月28日午前8時頃、中国黒竜江省ハルビン市の211軍病院。 不気味な暗黙の了解のもと、連れてこられた人間から生きたまま臓器を摘出する、いわゆる臓器狩りが行われました。必要な臓器を持ち去った執刀医たちは去り、後片付けを担当する一人の医師が残されました。

切り開かれた傷口は縫合すらされず、放置された体。 処置室で後片付けをしていたその医師は、突然、誰かに服を強く掴まれます。

「助けて……」

死んだと思われていたその女性――張秀琴さんは、激しい拷問と麻酔なしでの臓器摘出に耐え、奇跡的に意識を取り戻したのです。

体中に残る痛々しい拷問の痕。片方の腎臓は奪われ、肝臓など他の内臓も切り開かれていました。しかし、過酷な拷問によって器官が傷つきすぎていたため「移植に使えない」と判断され、そのまま捨て置かれていたのです。

医師は「目の前で患者が見殺しにされるのを見過ごせない」という衝動から、彼女を備品保管室へ連れ出し、鎮痛薬の投与と簡単な応急縫合を行いました。

夜になり、再び目を覚ました彼女に、医師は「もう、あなたを助けることはできない……」と告げます。

自分が命の限界を迎えていることを、張秀琴さん自身も分かっていました。 しかし、彼女が求めたのは延命でもなく、「この邪悪な迫害を公にしてほしい」との訴えでした。
彼女は山東省出身の法輪功学習者でした。心身の健康に最適な気功・法輪功は、その顕著な効果から中国政府も推奨し爆発的な人気でした。ところが、その人気に嫉妬した江沢民が1999年7月から全面的な弾圧を発動し、以来法輪功学習者たちは想像を絶する迫害を受けています。彼女もまた何度も家宅捜索を受け、長年の強制労働や拷問、さらには強姦という凄惨な性暴力まで受けていたのです。

緊張と恐怖の中、彼女の凄絶な不屈の魂に証拠の記録を決意した医師

「私にはそんな力はない……」最初は恐怖から断ろうとした医師でした。 軍病院という密室で、告発を手助けすれば自分の命も危うくなります。

しかし、自分の命が消えゆく直前でさえ、他の犠牲者を救うために世界の良心に訴えようとする彼女の気高い精神、そして凄絶な不屈の魂に、医師の心は強く揺さぶられました。

医師は決意し、彼女の言葉を映像として記録し始めました。彼女は不当な投獄から臓器収奪に至る残酷な一部始終を語り続けました。

【張秀琴さんが残した最期の言葉】

「皆さん、この動画をご覧になる頃には、私はすでにこの世にはいないだろう。どうか覚えてください。私は中共による生体臓器収奪によって殺害された法輪功学習者、張秀琴です。今日の午前、私はここに連れてこられ、強制的に腎臓を奪われました。見ての通り、私は今まだ生きています。これは中共が一貫して否定してきた犯罪の動かぬ事実です。

一刻も早く、この邪悪で非人道的な犯罪が明るみに出ることを願っています!信仰のために無実の人々が殺されることがなくなりますように。私の死が、世界の良心を目覚めさせることを願っています!」

臓器を抜き取られ、縫合すらされない絶望の淵で、迫害の停止を訴えた張秀琴さん。そして、恐怖に打ち勝ち、彼女の死を無駄にしまいと真実を世界に届けてくれた医師。

この命がけの叫びが、一人でも多くの人に届くことを切に願っています。

【引用記事】看中国(2023年7月25日)
【参考資料】法輪功について