見えない戦いが始まった フィリピンを揺らすサイバー攻防 #時事フォーカス
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ある中国資本のネット広告会社が、中国大使館の依頼を受け、フィリピンのSNSに浸透、中国を持ち上げ、アメリカとの同盟を貶める情報をばら撒いています。
北京によるフィリピンへの情報戦は、今に始まったことではありません。
しかし、今回は違います。認知戦という軍事的な工作を、なんと現地の会社に外注していたのです。
その証拠となる書類まで出てきました。
これは、明らかな内政干渉です。
ラップラーの12月20日の報道です。
フィリピンと中国の間で、海を巡る争いが激しくなる中、戦いの場は公開からネット空間へと移りました。
問題の企業は、インフィニタスというネット広告会社で、中国大使館に雇われたとされています。
彼らは秘密のキーボード戦士部隊を組織しました。
狙いは一つ。フィリピンの人たちが抱く、中国への悪いイメージを、無理やり変えることです。
ラップラーが入手した内部文書を見てみましょう。
この会社のSNS部隊は、Facebookで300個、Xで30個ものアカウントを操っています。
これをたった11人のチームで管理しているのです。
一人当たり、少なくとも20個のアカウントを育てて維持しています。
もちろん、それらのアカウントはそれぞれ異なる身分を持っています。
彼らは本物の携帯番号を使って本人確認をすり抜け、一般人の顔写真を盗んで使っていました。
しかも、AIにバレないよう、歪めたり変形させたりして写真を少し加工します。
中国大使館とこの会社、両者が交わした契約書のコピーも見つかっています。
この秘密作戦の予算はおよそ20万ドル、約3000万円ほどです。
作戦の要はフィリピンのSNSに放たれたキーボード戦士たち。
目的はフィリピンのネット空間に工作員を配置し、彼らは架空のフィリピン人になりすまします。
中国を支持しアメリカを叩く、そしてフィリピン政府の海上紛争への対策を反対すると書き込むのです。
ノルマもありました。一人につき毎月、700から1000件ものコメントや共有をすることが義務付けられていたのです。
六四四州の編集長でアメリカ議会図書館の作家でもある商品長さんは、こう指摘します。
中共の評判なんて国際社会じゃ最悪だ。だからあの手この手でイメージアップを図ろうとする。
嘘の物語を語れば世界での地位が上がると本気で思っている。
現地の中国人や外国の友人を抱き込んで自分たちのために働かせる。
自分たちが表に出ると都合が悪い。だから現地の中国人や団体を使ってこういう工作をさせる。
台湾大学の陳世民副教授は、こうした他国への認知戦や情報戦は中共が昔からやっていることだと指摘します。
ここ2,3年、フィリピンと中共の関係は悪化した。そこで中共は台湾でやってきた工作をそのままフィリピンでも始めた。
狙いはアメリカとフィリピンの仲を引き裂くこと。フィリピン国民にアメリカを信用させない。
そしてマルコス政権への信頼を失わせ、民主主義や自由という制度そのものを信じられないように仕向けている。
攻撃の矛先はマルコス政権そのものにも向いています。宣伝用の原稿には大統領は操り人形だと攻撃する言葉まで含まれていました。
さらにインフィニタス社はフィリピンの国会議員も標的にしています。
2024年11月の報告によると、当時会員議員だったロバートウェイス・バーバース氏のFacebookが大量のアカウントに荒らされました。
彼が新しい航空権法案の審議で中国を批判したからです。バーバース氏はこのネット舞台は有権者の投票行動を操るために作られたものだと言っています。
アメリカ在住の時事評論家、テイコウショウさんは次のように分析しました。
偽アカウントで他国の選挙に影響を与えるなんて明らかな内政干渉だ。でも共産党はそうは思わない。これは言論の自由だと言い張るだろう。
こういう無法者にはまず法律を作って防御を固めるしかない。代理人の手足を縛るのだ。その上で厳しく取り締まり、見せしめにする。そうしないと効果はない。
今年の4月、当時フィリピンの上院議員だったフランシス・トレンティーノ氏が校長会で告発しました。
中国大使館がインフィニタス社を使って中国寄りの宣伝をしていると、彼は証拠も出しました。
契約書、中国政府が振り出した小切手、そして会社の社員が大使館のイベントに参加している写真などです。
インフィニタス社側は声明で疑惑を否定しました。
ですが、トレンティーノ氏が出した小切手については、本物だと認め、あろうことか正当な取引だと開き直ったのです。
インフィニタス社のような組織が外国の代理人を務めるなら、登録が必要だ。
単なる広告会社が中国政府に有利な政治工作を受け負うなんて許されない。フィリピンの法律でもそこは厳しく規制されているはずだ。
フィリピン市インクワイヤラーの4月の報道によると、証券取引委員会の調査で会社の詳細が分かりました。
インフィニタスは2019年に登録され、資本金は300万ペソ、約800万円。
役員として、リーという名前の2人の中国人と3人のフィリピン人が共同登記されていたということです。
さて、今日はここまでです。ご視聴いただきありがとうございました。
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それでは、またお会いしましょう。