家なき子 1977 Nobody's Boy Remi 經典老片場「咪咪流浪記」33

經典老片場
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レミ、このホテル渡ってみようぜ。
うん。
いらっしゃい。
どのようなお部屋がいいですか?
シャワー付きなどもございますが。
あの、一番安い部屋はいくらですか?
そうですな、あんた方二人と犬を入れて。
こんなもんかな。
このくらいにはなりませんか。
じゃ、こんなもんでは。
ああ、高い高い高い!
こんなもんじゃどう?
ああ、あたしの大好きな知恵の輪だ。
ほう、その方は新しい奴ですが。
あ、やった。
ねえ、お願い、わたしにもやらせてよ。
無理じゃないかな。
そんな。
これちょっと難しいもん。
大丈夫、やらせて。
無理無理。
やらせろ。
じゃ、いくらかける?
十数だ。
だめ、部屋代。
よし、かけた。
マジや、だめだよ、そんなこと。
非常に黙って任せないよ。
外れっこないのに。
外れる奴は俺のポケットの中。
親父に渡したのは絶対に外れない偽物。
外れたよ。
部屋代いただき。
渡しちまった。
はい、お二人さんとご一匹。
お二階へご案内。
いえ。
あの、負けた分は払いますけど、
泊まるのはあきらめます。
余分なお金はないんです。
さよなら。
申し訳ない。
ごめん。
謝る。
俺が土地でした。
ほん。
目打ちを買うためにケチケチを始めよって言ったのは
どこの誰でしたかね。
それを言うなって。
つまりその、俺、
宿賃を何とか浮かそうと思ってよ。
ごめんな、レミ。
悪かった。
ホテルのおじいさんが知恵の輪を外したときの
マジやの顔だな。
たまには俺だって間違いってのがあるさ。
ごめんな。
こんなとこで野宿するハメになっちまって。
いいんだよ。
僕たち野宿には慣れてるからさ。
それに、僕のママのお土産のために
町屋まで一生懸命やってくれてるんだもん。
ありがとう。
本当は僕、とっても感謝してるんだ。
よせよ。
今さらなんだよ。
レミの育ての親、バルブランママに牛を飼っていく。
牛は一頭約150クラン以上。
レミたちはまだその三分の一もお金を貯めていない。
でもそれがレミとカピ、そしてマジやの
小さな一座にとっての大きな夢であった。
レミたちの計画では、
まず炭鉱の町、バルスを訪ね、
その後バルブランママのいるシャバノンモラへ
寄ることになっていた。
バルスには、ビタリスが死んだ後世話になった
アキャン家の長男アレクシスが引き取られているのだ。
バルスへ続く道は、もう夏を迎えていた。
ねえ団長、そろそろ一休みして飯にしましょうよ。
いや、夕方までには次の町に着かねえなら、
昼飯はそれぞれ馬車の中で済まそう。
飯は馬車の中で済ませとよ。
飯は中で済ませとよ。
馬車の中で済ませとよ。
レミ、これを利用しないとはないぜ。
利用?
うん。
そんなことして怒られないかい?
大丈夫。誰も損をするわけじゃないんだ。
もし見つかったら、降りりゃいいのよ。
このほうがよっぽど楽ちんだぜ。
虎だ。
大きいね。僕虎見るの初めてだ。
俺はもう宮口マックさ。
前にちょっとサークスに行ったことがあるからな。
大丈夫だよ、カピ。相手は檻に入ってるんだ。
とにかく、昼寝と行こうや。
こういうチャンスは滅多にないぜ。
まあ、それにしても大きいな。
あれ?檻の中にもう一つ檻があるぞ。
ジョリクールだ。
ジョリクールって、芝居の最中に死んだっていう猿のことかい?
そっくりなんだ。
この猿、おしおきされてるんだ。
おしおき?
ああ、サーカスじゃな。
猿なんかが悪さすると、
虎やライオンの檻に一緒に入れて、おしおきをするんだ。
じゃあ、この猿、何かいたじらをしたの?
そんな感じさ。
見ろよ、このふてぶてしい態度。
はあ、ますますジョリクールそっくりだ。
あ、そうだ。
おしおきならお腹が空いてるはずだ。
パンをあげよう。
お食べ?
みんな、もうしばらく行ったら休憩するぞ。
出る用意をしとけ。
その猿くれてやるから、大事にしてやれよ。
さ、猿?
いつの間に?
実はな、その猿のためにみんな迷惑してたんだ。
迷惑?
迷惑ってどの?
いたずらもんでへそまがりでよ。
始末に追えないのよ。
まあ、しばらくすりゃ分かるよ。
じゃあ、元気でな。
適当につけとけよ。
マッチョ、もらっちゃった。
ああ、もらっちゃったな。
でもよ、あの連中の言うほどすげえ白者なのかね。
それほどでもねえような気がするけどな。
こ、ま、まて!
この野郎!
レミよ、俺こいつあんまり好きじゃねえや。
猿ってね、へそまがりが多いんだよ。
ジョリクルだってそうだったもの。
なもんすかね。
大丈夫、なれるまでには少しは時間がかかるぞ。
ですかね。
レミ、汽車だ!
汽車がやってくるね!
汽車に乗るのは初めてかよ。
うん。
早いだろう。
なんせ十日で歩くところ半日で行っちまうんだからな。
いい加減で座んなよ。
あんまり見てると目回すぜ。
うん。
ま、あとは運任せよ。
少しでもバルスに近づきゃ儲けもんさ。
あれ?
マッチョ、ごらん!
ほら、石炭だ!
石炭?
石炭を運んでるってことは、
ひょっとしたらこの汽車はバルスへ向かってるんだ。
だって、バルスは炭鉱だもの。
なるほど。
そう言っちゃすげえ!
この決大な新入り、なんて名前にする?
僕もさっきから考えてるんだけど、
どうしてもひとつの名前しか浮かばないんだ。
ジョリー・クールかい?
しょうがねえ、決まりだ。
おい、エテコン!
おめえの名前が決まったぜ。
ジョリー・クールだ。
わかったな。
汽車の響きがレミを夢の世界へ誘う。
幸せな夢だ。
新しいジョリー・クール。
着々と進んでいるバルブランママへのプレゼント計画。
そして、バルスに着けばアレクシスに会える。
夢の中で、汽車は星空の中を走っていた。
でも、無駄だ。
警察へ行ってもらうとこだが。
君たちも反省してるようだし。
まあ、今回は見逃してやろう。
ああ、気ぃつけて行くだぞ。
バルスまではもうちょいだでな。
あの、少々お伺いますが、
次のバルス行きの汽車はあとどのくらいで来ますでしょうか?
いや、また飛びのロッツ混担だな。
いやいや、そのその。
残念じゃが、次のバルス行きはあさってじゃ。
どうもでした。
ちっくしょう、この猿、ちゃっかりしてやな。
待つよ、君の。
やっぱ無理か。
レミ、ちょっとこいつはいいもん見つけたぜ。
よし、こっからくだりだ。
みんなしっかりつかまれ。
空が煙で真っ黒だ。
そのよう、アレクシスってのは一体どこにいるんだ?
分かんないんだ。誰かに聞かなくちゃ。
あいつが言うこと聞くわけないよ。
ジョリコールのやつ、カピにはずいぶん素直なんだな。
ほんとだ。
すると、あなたひょっとして、
レミ。
レミね。
そうですが。
やっぱり。
ひと目で分かったわ。
あなたたちのこと毎日のように聞かされてるんですもの。
誰にですか?
アレクシスに決まってるじゃないの。
アレクシスに。
じゃあ、アレクシスを知ってるんですね。
もちろんよ。さ、一緒に行きましょ。
あたしこれからアレクシスにお弁当届けるのよ。
はい。
ついてる。
あたしね、シモーヌっていうの。アレクシスの言い名付け。
え?言い名付け?
つまり、いい人ってことだよ。
え?
あ、マチアです。新しい仲間。
よろしく。
シモーヌ!
大変だ。アレクシスがけがをしたぞ。
足をくじいただけか。
びっくりしたろ。
単行じゃこんなけが、かすり傷扱いさ。
本当によく来てくれたね。
ありがとう、レミー。紹介するよ。ガスパールおじさん。
よろしく。君のことはアレクシスから死ぬほど聞かされてたよ。
さて、これがアレクシスのおばさん。つまり、わしの奥さんじゃ。
よろしくね。
よろしくお願いします。
えっと、マチアです。
はじめまして。
それから、カピです。
えっと、それからもうひと、いや、一匹仲間がいるんですが、えっと。
どうだい?足のほうの具合は。
あ、レミー。紹介するよ。
ぼくのその、いい名づけ。
そ、シモーヌ。そして、シモーヌの兄さんで単行の義士をしてるポールさん。とても偉いんだぜ。
おいおい、アレクシス。そんな偉くないよ、ぼくは。よろしく。
レミーです。
よろしく、レミー君。
そうだ。レミー君、君ならいいかな。
え、何がですか?
トロッコウシだよ。アレクシスのかわりに。
え?
おいおい、ポール。レミー君はうちのお客さんだ。別に働きに来たわけじゃないよ。
いや、わかってます。しかし、その、今、所長に呼ばれましてね。
アレクシスは、その、まだ新しくて、本雇いにもなっていない上に、今休んで会社に迷惑をかけるなら、不備もあり得ると言われまして。
あのかたむず所長め。何ということを。
よし、俺がかけやってくる。
待ってください、おじさん。
大丈夫。ぼくやってみます。アレクシスのかわりに。
レミー。
いや、やらせてください。ぼくにできるなら。
いいねよ。勝ってるのかよ。こんなところで足止め食ったら、それだけシャバノンへ行くのが遅れるんだぜ。
ちっ、と言ったところで仕方がないか。
しゃれ、俺はカピとあのヘンテコ連れて、めうしの金でも稼ぎまくるわ。
レミーは、翌朝からアレクシスのかわりに、炭鉱に働きに出る。
地下250メートルの暗闇。レミーの心は驚き。
しかし、レミーはまだ、その暗闇で待っている危険を想像もしていなかった。
