第119議会 第2会期

上院法案 S.4009

法律案

中華人民共和国における生体臓器収奪に関する制裁の実施およびその他の目的を定める法律。

米国議会の上院および下院は、以下のとおり制定する。

第1条 略称

本法は「法輪功および生体臓器収奪被害者保護法」("Falun Gong and Victims of Forced Organ Harvesting Protection Act")と称する。

第2条 定義

本法において、以下の用語はそれぞれ次の意味を有する。

(1)関係議会委員会 ー「関係議会委員会」とは、以下の委員会をいう。

(A)下院外交委員会および下院情報特別委員会。

(B)上院外交委員会、上院銀行・住宅・都市問題委員会および上院情報特別委員会。

(2)生体臓器収奪 ー「生体臓器収奪」とは、強制、誘拐、欺瞞、詐欺、権力の濫用、または弱い立場につけ込む行為によって、個人から一つ以上の臓器を摘出することをいう。

(3)情報機関 ー「情報機関」とは、1947年国家安全保障法第3条(合衆国法典第50編第3003条)に定める意味を有する。

(4)臓器 ー「臓器」とは、国家臓器移植法第301条(c)(1)(合衆国法典第42編第274e条(c)(1))に定める「人体臓器」を意味する。

第3条 議会の認定事項

議会は、以下の事実を認定する。

(1)公的機関および民間団体は、中華人民共和国における臓器移植政策および実施状況について、継続的に懸念を表明してきた。これには、宗教的信条、民族的背景、その他の集団への所属を理由として中国当局の標的とされた人々から、生体臓器収奪が行われているとの疑惑が含まれる。

(2)米国国務省の「2023年国際宗教自由報告書」は、次のように述べている。「市民社会団体は、[中華人民共和国の]当局が宗教団体の構成員、とりわけ法輪功学習者およびウイグル族の人々に対し、臓器提供者となることを強要しているとの報告について、引き続き懸念を表明している」

(3)中華人民共和国政府は、臓器移植政策およびその実施状況、とりわけ生体臓器収奪に関する疑惑について、説明責任と透明性の向上を求める国際社会からの度重なる要請に対し、十分かつ信頼でき、独立した検証が可能な回答を提示していない。

(4)米国政府は、情報機関を含め、中華人民共和国政府による組織的な臓器収奪の実態に関する疑惑について、法輪功学習者を対象とする行為を含め、いまだ正式な評価を示していない。

第4条 議会の見解

議会は、米国政府が以下の措置を講じるべきであるとの見解を表明する。

(1)法輪功学習者が関係する事例を含め、中華人民共和国における組織的な生体臓器収奪の疑惑を調査すること。

(2)良心の囚人からの生体臓器収奪を含め、違法、強制的、本人の同意を伴わない、または透明性を欠く臓器の調達および移植行為を非難すること。

第5条 中華人民共和国における生体臓器収奪に関する制裁の実施

(a) 制裁の実施

大統領は、(b)項に基づいて提出された最新の名簿に記載された各外国人または外国法人等に対し、(c)項に定める制裁を科さなければならない。

(b) 対象者名簿

(1)一般規定

大統領は、本法の成立日から180日以内に、中華人民共和国における生体臓器収奪に、故意に、かつ直接関与し、またはこれを助長したと大統領が判断する外国人または外国法人等の名簿を、関係議会委員会に提出しなければならない。

(2)名簿の更新

大統領は、(1)に基づく名簿の更新版を、以下の時期に関係議会委員会へ提出しなければならない。

(A)新たな情報が得られた場合。

(B)本法の成立日から1年以内。

(C)その後、(h)項に基づく終了日まで毎年。

(3)提出形式

(1)に基づく名簿および(2)に基づく更新版は、非機密文書として提出しなければならない。ただし、機密扱いの付属文書を含めることができる。

(c) 制裁の内容 ー 本項に定める制裁は、以下のとおりとする。

(1)資産の凍結 ー 大統領は、国際緊急経済権限法(合衆国法典第50編第1701条以下)により付与されたすべての権限を、同法第202条(合衆国法典第50編第1701条)の要件を適用せず、必要な範囲で行使しなければならない。その目的は、(b)項に基づいて提出された最新の名簿に記載された外国人または外国法人等が保有する財産および財産上の権益について、以下のいずれかに該当する場合、そのすべての取引を凍結し、禁止することである。

  • 当該財産または権益が米国内に存在する場合、または米国内に移転される場合。
  • 当該財産または権益が米国人または米国法人等の占有もしくは管理下にある場合、またはその占有もしくは管理下に置かれる場合。

(2)特定の個人の入国不許可

(A)査証、入国または仮入国の資格喪失 ー (b)項に基づいて提出された最新の名簿に記載された外国籍の者は、以下の対象となる。

(i)米国への入国が認められない。

(ii)米国入国のための査証その他の渡航書類を取得する資格を有しない。

(iii)その他、米国への入国、仮入国、または移民国籍法(合衆国法典第8編第1101条以下)に基づくいかなる利益も受ける資格を有しない。

(B)既存の査証の取消し

(i)一般規定 ー (A)に該当する外国籍の者については、査証その他の入国書類が発給された時期にかかわらず、その取消しの対象となる。

(ii)即時効力 ー (i)に基づく取消しは、移民国籍法第221条(i)(合衆国法典第8編第1201条(i))に従い、以下の効力を有する。

(I)直ちに効力を生じる。

(II)当該外国籍の者が保有するその他の有効な査証または入国書類も、自動的に無効となる。

(3)例外 ー (2)に基づく制裁は、外国籍の者の米国への入国または仮入国を認めることが、1947年6月26日にレイク・サクセスで署名され、同年11月21日に発効した国際連合と米国との間の国連本部協定、または米国に適用されるその他の国際的義務を履行するために必要な場合には、適用されない。

(d) 罰則 ー (a)項を実施するために制定された規則に違反し、違反を試み、違反を共謀し、または違反を引き起こした者に対しては、国際緊急経済権限法第206条(b)および(c)(合衆国法典第50編第1705条)に定める罰則を適用する。その適用範囲は、同法第206条(a)に規定する違法行為を行った者に対する罰則と同一とする。

(e) 国家安全保障に関する例外 ー 以下の活動は、本条に基づく制裁の対象から除外する。

(1)1947年国家安全保障法第5編(合衆国法典第50編第3091条以下)に基づく報告義務の対象となる活動。

(2)米国が正式に認可した情報活動または法執行活動。

(f) 人道支援の提供に関する例外 ー 以下の取引または取引の円滑化に対しては、本条に基づく制裁を科してはならない。

(1)農産物、食料または医薬品の販売。

(2)人道支援の提供。

(3)人道支援または人道的目的に関連する金融取引。

(4)人道支援または人道的目的に関する活動を実施するために必要な物品またはサービスの輸送。

(g) 制裁免除権限

(1)免除 ー 大統領は、制裁の免除が米国の国家安全保障上の利益にかなうと判断した場合、個別の事案ごとに、本条に基づく制裁の全部または一部を免除することができる。

(2)報告 ー 大統領は、(b)項(1)に基づく最初の名簿を提出した日から120日以内に、またその後は(h)項に基づく終了日まで120日ごとに、関係議会委員会へ報告書を提出しなければならない。報告書には、提出前の120日間に、大統領が(1)に基づく制裁免除権限をどの程度行使したかを記載するものとする。

(h) 失効条項 ー 本条に基づく制裁を科す権限は、本法の成立日から5年後に終了する。

(i) 定義 ー 本条において、以下の用語はそれぞれ次の意味を有する。

(1)入国、入国を認められた者、外国籍の者、合法的な永住資格を認められた者 ー これらの用語は、移民国籍法第101条(合衆国法典第8編第1101条)に定める意味を有する。

(2)外国人または外国法人等 ー「外国人または外国法人等」とは、米国人または米国法人等に該当しない個人または団体をいう。

(3)故意に ー 行為、状況または結果に関する「故意に」とは、当該行為、状況または結果について、実際に認識していた場合、または認識しているべきであった場合をいう。

(4)米国人または米国法人等 ー 「米国人または米国法人等」とは、以下をいう。

(A)米国市民、または米国に合法的に永住することを認められた外国籍の者。

(B)米国または米国内のいずれかの法域の法律に基づいて設立された団体。当該団体の海外支店を含む。

(C)米国内に所在するすべての者。

第6条 中華人民共和国の臓器移植政策および実施状況に関する報告書

(a) 一般規定 ー 国務長官は、本法の成立日から1年以内に、保健福祉長官、国立衛生研究所(NIH)所長、および関係する情報機関の責任者と協議のうえ、中華人民共和国の臓器移植政策および実施状況に関する報告書を関係議会委員会に提出しなければならない。

(b) 報告書に含める事項 ー (a)項に基づく報告書には、以下の事項を含めなければならない。

(1)中華人民共和国政府が、組織的な生体臓器収奪の行為および政策を現在実施しているか、または過去に実施していたかについての正式な認定。

(2)中華人民共和国における臓器移植に関する法律上の政策および事実上の政策の概要。これには、良心の囚人(法輪功学習者を含む)、その他の囚人、および生体臓器収奪の被害者に関する政策を含む。

(3)以下の事項。

(A)中華人民共和国において、年間に実施されていることが確認されている、または実施されていると推定される臓器移植の件数。

(B)中華人民共和国において、確認されている、または推定される自発的な臓器提供者の人数。

(C)中華人民共和国における移植用臓器の供給源についての評価。

(D)中華人民共和国の医療制度において、移植用臓器を確保するまでに要する日数についての評価。また、確認されている、または推定される自発的な臓器提供者の人数に照らして、そのような期間で臓器を確保することが可能かどうかについての評価。

(4)本法の成立前10年間に、中華人民共和国における臓器移植研究、または中国の団体と米国の団体との共同臓器移植研究を支援した、米国によるすべての助成金の一覧。

(5)(1)に基づく認定において、中華人民共和国政府が組織的な生体臓器収奪の行為および政策を現在実施している、または過去に実施していたと認定された場合、中華人民共和国における生体臓器収奪が、2018年エリ・ヴィーゼル・ジェノサイドおよび残虐行為防止法第6条(公法115-441、合衆国法典第22編第2656条注記)に定義される「残虐行為」に該当するかについての認定。

(c) 提出形式 ー (a)項に基づく報告書は、非機密文書として提出しなければならない。ただし、機密扱いの付属文書を含めることができる。

第7条 物品の輸入に関する例外

(a) 一般規定 ー 本法に基づいて認められる制裁権限および制裁実施義務には、物品の輸入に対して制裁を科す権限または義務は含まれない。

(b) 物品の定義 ー 本条において「物品」とは、あらゆる製品、天然または人工の物質、材料、供給品、製造品をいい、検査機器および試験機器を含む。ただし、技術データは含まない。

2026年9月28、上院可決。

証明:

上院書記官

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英語原文:https://www.congress.gov/bill/119th-congress/senate-bill/4009/text